FumioBlog(ビジネス/読書)

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ファイナンス学び編(IRR/NPVに関して)

はじめに

 製造業で働く中で、設備投資は利益拡大に必要な手段です。投資の判断基準となるIRR/NPVについてまとめます。参考資料は下記です。

NPV/IRRとは

NPV(正味現在価値)について

 NPVとは、Net Present Valueの略称で日本語では正味現在価値といいます。

 NPVとは、初期投資を含めたすべての将来キャッシュフローの現在価値(Present Value)の正味合計値(Net)です。NPVがプラスの事業(プロジェクト)は実施すべき、NPVがマイナスの事業は実施すべきではないと判断することが可能です。

IRR(内部収益率)について

 IRRとは、Internal Rate of Returnの略称で日本語では内部収益率といいます。

 IRRとは、NPVをゼロにする割引率です。それは事業の予測利回りを意味しています。IRRがハードルレートを上回る事業は実施すべき、IRRがハードルレートを下回る事業は実施すべきではないと判断します。

NPVとIRRの共通点と相違点

 NPVとIRRは投資の意思決定のためのツールです。また、将来キャッシュフローで割り引くDCF法に基づくという2点において共通しています。

 途中のプロセスや価値そのものを議論したい場合はNPV法を用いるのが望ましく、予算に制約がある環境下で複数の事業の優先順位を行いたい場合や割引率が明確に定まらない場合はIRR法が望ましいです。

NPVの例

 初期投資100億円を要し、以降6年目までのキャッシュフローが下記のような場合のプロジェクトAがあります。プロジェクトAは実施すべきかNPV法によって意思決定します。

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 NPVは各年において正味現在価値を求めてから足し合わせます。割引率は5%としました。すると、合計は66.7億円となります。従い正の値であることから本プロジェクトは実施すべきと結論づけることができます。

割引率の決め方

 この割引率は割引人(企業)や審査によって変わります。この手形が不渡りになる可能性が高い場合は、手形割引料が高く設定されます。一方、不渡りになる可能性が低い場合は手形割引料も低くなります。


・経営数値
・過去の手形取引履歴
・企業規模
・事業歴
・信用情報
等々を総合的に勘案して、信用力を調査します。 

(参考) 【保存版】手形割引率の計算方法・相場。手形割引率はどうやって決まるのか?安い手形割引料の業者の選び方 | 資金調達BANK

NPVとIRRの関係

 仮に下記3つのプロジェクトから投資すべき1つのプロジェクトを選ぶことを考えます。ハードルレートを13%とします。

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 NPVではプロジェクトAが最も高くなっています。逆にIRRではプロジェクトCが高くなっています。

 NPVとIRRにて結果が異なる場合、どちらを選択すべきかが問題となります。

 この場合、ファイナンスではNPVを優先すべきといいます。これは、企業のゴールは企業価値を高めることが目的だからです。つまり、正味現在価値が大きいAを選択する必要があります。

 しかしながら、企業の予算枠が決まっている場合はプロジェクトの効率性を重視する必要があります。そうなると逆に内部収益率(IRR)が高いC→B→Aの順番となります。

終わりに

 NPVとIRRについて学びました。単純な回収期間法と異なり、現在価値を考えながら行うNPVやIRRの方が詳細に議論が可能な手法です。

 NPVとIRRはそれぞれ適材適所で使い分けることが必要であることも理解しました。