FumioBlog(ビジネス/読書)

ビジネスやプログラミング等の学んだことのアウトプットを目的に記事にしています

気づき:DXの神髄(著者:安部慶喜氏、柳剛洋氏)

はじめに

 アビームコンサルティング社より出版されたDXの神髄(著者:安部慶喜氏、柳剛洋氏)を読んだ気づきです。

要約

f:id:fumio-eisan:20201021213908j:plain

気づき

 本著はDX(デジタルトランスフォーメーション)を日本企業で推進する上での障壁となる企業文化を挙げており、その後DX成功実例を紹介しています。    障壁となる企業文化とは、高度経済成長期に発展することができた特徴から由来するものであり、現在は逆に足かせとなっていることを示しています。

 年功序列で同質的な人材をベースにしてすり合わせの力によって、ボトムアップカイゼン活動をしてきたスタイルが従来の日本企業です。一方で、昨今はデジタル技術やグローバル化の影響によりビジネスモデル自体が大きく変革してきているため、持続的な利益を上げるためには組織自体が変革できる体質があることが望まれます。

 これはIGPIの冨山氏が指摘するCX(コーポレートトランスフォーメーション)でも指摘されています。

 企業変革し続ける文化やガバナンスをするための一手段としてDXを捉えている点を本著や冨山氏は繰り返し述べられています。

本著でも、現状課題の日本企業が持つ習慣病についてはDX以前に組織、ガバナンスとして今後の日本企業でのあるべき姿を描いている点が印象的でした。

組織間の壁を生むピラミッド構造

 組織・人の習慣病の一つに、組織間のピラミッド構造があります。これは、得られるスキルや業務範囲を限定することによりカイゼン的な力を付けるうえでは有用な方法でした。

 しかしながら、大きな変革が要請されつつある現代においては組織をフラット化し、様々な能力や経験を持った人材が部門を超えて課題解決に取り組むことが望まれます。

 所謂プロジェクト単位でチームを編成させることでより柔軟な対応ができることになります。

 

トップダウンによる号令が必要

 企業文化やガバナンスを変えなければならないと述べられています。従って、経営層によるリードが絶対に欠かせません。

 戦うべき相手は社内の習慣病であるからです。経営層がゴールを示して、強く動機づけることが必要不可欠となります。

 この社内の大きな変革を実行できないでいると、大規模なリストラや事業撤退へ追い込まれていくのだと思います。いつ痛みを感じて断行するか、これが経営層に問われていることだと理解しました。

まとめ

 高度経済成長期に発展した日本企業の特徴が現代のDXにとって足かせとなっていることは、繰り返しほかの著書でも語られていることであったため、改めて難しい課題だと認識しました。