FumioBlog(ビジネス/読書)

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感想、気づき:サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)その1

はじめに

 前から気になっていた本を読み始めました。印象的だった内容をまとめます。

 読んで心に響いた点、気付きについてまとめます。上下巻に分かれており、サピエンス(ヒト)が現れた過去から主に現代にかけて農耕、狩猟や宗教、科学技術に着目して書かれています。

文明は人間を幸福にしたのか

 過去500年間で地球は生態的にも歴史的にも単一の領域に統合されました。科学と産業革命のおかげで、人間は超人間的な力と実質的に無限のエネルギーを手に入れました。

 しかし、私たちは以前より幸せになったのでしょうか。

 資本主義者は、経済成長と物質的豊かさを実現し、人々に自立と進取の精神を教え諭すことにより、自由市場だけが最大多数の最大幸福をもたらすことができると主張します。

 

幸福度を測る

 幸福とは主観的厚生とされます。この見方によると、自分自身が心の中で感じるものを意味します。

 「今の自分に満足している」「人生を送ることには大きな価値がある」「将来について楽観的だ」等の記述に対して、どの程度賛同できるかを評価することを行います。

 この質問の結果、以下が判明しました。


・富と主観的厚生には正の相関がある(ただし一定の水準まで)
・病気は短期的に幸福度を下げるが、長期的な下落は継続的な病気の場合
・家族やコミュニティは富や健康よりも幸福感に大きな影響を及ぼす

さらに、重要な発見として「幸福は客観的条件と主観的な期待との相関関係」によって決まることが見出されました。

このうち主観的な期待とは、例えば新車が欲しかった場合に中古車同然の車が来た場合に抱く気持ちの差のことをいいます。また、一泊一万円のホテルに泊まった際に、受けたサービスが思いのほか良くて満足した場合の差をいいます。    この考えは非常に納得感があり、私自身も実感するところです。「日本人として、大学卒業した人間として、30代として、子供のいる父として、人生はこうしてすごしたい」と思う姿とのギャップがあるほど幸せな気持ちで無くなる気がしています。

 また、周りの裕福な人間をみると自分自身との差を考えて悩んでしまうこともあります。すると、自己肯定感が失われることにもつながっていきます。

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終わりに

 幸福感を日々得ることで、充実した人生を送ったと振り返ることができます。その中で、主観的な期待は意識していなかった観点でした。

 ニュースやYouTube等で知らず知らずのうちに良い環境で生きている人がいることを知り、こうなりたいと思う気持ちがあふれてしまいがちです。

 なんとなく幸福感が無いな、と思ったときはむしろ情報を遮断して自分の客観的条件に注目することが良いのかもしれません。