シン・二ホンに関する内容と所感(マッシュアップエコノミーについて)
はじめに
「イシューからはじめよ」の著者安宅和人さんの最新著書を読んでおります。その内容の理解と私なりの所感をまとめました。
特に、マッシュアップエコノミーと著者が呼んでいる内容について取り上げました。
マッシュアップエコノミー
データ×AI時代では何もかも自分で作る必要がなくなっていきます。餅は餅屋に任せて自分が勝負したいところをしっかりと作りこみ、後は外部サービスのAPIを活用していけば良いのです。
例としてタクシー配車サービスのUberが挙げられています。
Uberは、顧客とドライバーをマッチングさせるサービスだけは自社で開発し後は既にあるサービスをAPIで活用しています。API:application program interface:とは、あるアプリケーションから別のアプリケーションのデータを呼び出すシステムのことです。
これによりあるシステムを部品化して、専門の会社のものを丸ごと使えばよいのです。
このように既にあるサービスと自社のサービスを合わせることを”マッシュアップ”と呼んでいます。
Uberはさらにサービス自体をAPI化し、外部(Google Maps等)へ公開することで集客を行っています。核となる一つの技術を武器にして、サービスを繋ぎ合わせることで成長している例になると思います。
APIエコノミー
この自社の重要なデータをあえてAPIとして公開するビジネスモデルをAPIエコノミーと呼びます。
他に応用が期待されている分野として医療分野があります。患者の健康診断結果を生命保険会社へAPI経由で連絡するサービスが既に株式会社日本医療データセンターで始まっているとのことです。 これが応用していくとスマホの歩数計やフィットネスクラブ活動等、運動習慣が高い人ほど保険料が安くなり利率が高くなる商品なども進んでいくことでしょう。
製造業と比較して考える
製造業で働いている立場として、このUberモデルとの比較を考えました。分かりやすく完成車メーカの場合を考えます。外装品、内装品、電装品を各種部品メーカーから調達する必要があります。
その際、ものづくりにおいては部品の調達、品質、製造、改善などを考える必要があります。安定的に、安く、品質が一定の部品を確実に調達する方法を確立しなければなりません。
一方、Uberの場合これら課題がかなり解決されています。ITサービスということもありますが、調達やコストなどの考え方がものづくりの場合と比較して簡便なようにみえます。
下記表に簡単にまとめています。
終わりに
Uberを例にしてAPIを活用したサービスを学びました。部品を調達するという観点でみると製造業と似ていますが、ITサービスはソフトウェアであるが故に調達とリードタイムに手間を掛けなくて良い(サービスがローンチされている前提)ことが強みであると思いました。