FumioBlog(ビジネス/読書)

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気づき_コロナショックサバイバルを読んで(その1)

はじめに

 冨山和彦氏の著書「コロナショックサバイバル」を読んだ気づきをまとめます。

経済重篤化の流れ

 昨今のコロナショックと10年前に起こったリーマンショックは、危機が瀕する順番が異なるといいます。

 経済の構造をグローバル企業(G)とローカル企業(L)及び金融(F)の3つに分けたとします。このとき、リーマンショックではリーマンブラザーズが倒産したことにより、金融(F)が最初にダメージを受け、それに伴ってグローバル(G)な企業が影響を受けました。そして最終的にローカル(L)な経済圏の中堅・中小企業が打撃を受けた形になります。

 今回のコロナショックの場合はこの逆が起きています。

 観光や宿泊、飲食・エンターテインメントなどのローカルなサービス産業がまず影響を受けます。こうしたL型産業群は我が国のGDPの7割を占める基幹産業群です。

 次に、耐久消費財とその関連の設備投資や部品供給、材料供給の受容でした。将来に大きな不安を持った時に高価な耐久消費財を購入しません。従い、自動車や家電などのグローバル企業が影響を受けます。

 そしてコロナショックから数週間から1か月ほどで生産停止や売上減少となったことで、企業は資金繰りが苦しくなってきます。時間が経過するほど借金は重くなる一方で事業は傷んでいき、返済能力はむしろ弱まって、回収見込みが低下して不良債権化する可能性が出てきます。

 そうなると今度は金融機関側(F)のバランスシートが痛み出し、信用創出能力(*)が既存して金融収縮が始まり、ますます実体経済を縮小させる悪循環が生まれかねません。

*信用創造:預金されたキャッシュを他に必要な人、企業へ貸し付けることで見かけの銀行預金が増える状態のことです。

危機の乗り越え方は歴史から学ぼう

 コロナショックにおいて本格的な収束の目途が見えない現在の状況で、不確実な未来は誰もが予想できません。過去の同様の経済危機やリスクイベントからすると〇〇となる可能性が高い、となるだけです。

 しかしこの歴史から学ぶ姿勢はドイツの宰相ビスマルクが説いているように、非常に重要であると考えます。

 危機の襲来に対峙し、これから起きることに対して最善の準備と最良の決断をするには、想像力が重要です。歴史はまさに想像力の基盤になります。今回は、リーマンショックについておさらいをします。

リーマンショックについておさらい

 2000年代のバブル崩壊及び世界同時テロによってアメリカは景気が停滞していました。従い、アメリカの銀行は低金利政策によって景気を活性化させようとしていました。

 その低金利政策により住宅への投資が加速し、不動産バブルが起こりました。この不動産バブルによってサブプライムローンが人気となりました。このサブプライムローン低収入者向けの高金利住宅ローンです。

 このサブプライムローンは価格が上がり続ける住宅を担保物件とすることができました。従い、リスクが低く見積もられるため人気の金融商品となりました。

 しかしそれでもリスクが気になるため、このサブプライムローンを小口の債権として投資家に販売しました。また、この商品を株式や証券と組み合わせたパッケージとして、証券会社やファンド、生命保険会社が扱っている高利回り商品として一般投資家に売っていました。

 リスクが低く利回りが良いことからこのパッケージはとても売れました。従い、それに伴って住宅価格は上がりました。この住宅価格が上がり続けると、流石に売れなくなってきてしまいました。    すると住宅価格がみるみるうちに下がりました。さらにそれに伴ってパッケージされていた証券や株式も下がる結果となりました。これにより世界的な株安となりました。

 このパッケージ商品を多く扱っていたリーマンブラザーズは耐え切れず経営破綻してしまいます。この出来事からリーマンショックと呼ばれます。

 このリーマンショックは当時就任直後であったオバマ大統領によって7000億ドルの不良債権買取が行われます。賛否は合ったものの、これにより日本のバブル崩壊もよりも早く復活しました。

 オバマ大統領は日本のバブル崩壊についてよく学んだ結果、早く立ち直るべき行動として不良債権買取を行ったといわれています。文字通り歴史から学んで早く立ち直った良い例だと思いました。

終わりに

 歴史から学ぶことが重要である例をリーマンショックの例から実感しました。