FumioBlog(ビジネス/読書)

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大前研一著:「企業参謀」の内容と気づき(イシューツリー、中期経営計画)

はじめに

 経営関係について学んでいます。今回は大前研一氏の企業参謀を読んでおり、その内容をまとめます。

イシューツリー

 大きな問題点(イシュー)を提示し、これを相互に重複することのない2つ以上のサブイシューに分割していく方法のことをイシューツリーといいます。

 この手法により、以前は問題が大きくて手の付けられなかったものも、だんだんと手の付けられるような問題に分岐させることができます。

 ある会社の製品Aが非常にコストが高く競争力低下が著しい場合を考えます。ここで、現実の製品Aでは価格政策面からも、マーケットサイズの点からも高コストがユーザに転嫁できない答えが出た場合を考えます。

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 要するに漏れなくダブりなく課題解決を行えるように可視化することが重要といえます。このイシューツリーの右側に具体的にスケジュールを記載して進捗を確認することを行えば、確実に課題をつぶしていけることに繋がります。

 打つ手はVA(Value Analysis)、VE(Value Engineering)と呼ばれるものがあります。

VA,VEとは

 VA, VEは購買管理の科学化、近代化の手法です。購買品を価格の面から調査分析し、コスト引き下げや新商品開発に役立てようとするものです。購買品が設計・機能面で、また材料・加工面で原価として適当かどうか、あるいは作業工程、原価構成、購買先はどうか等を検討します。

中期経営計画の立て方

 大前氏が推奨する中期経営計画の立て方についてです。

 参謀として経営企画が最も有効に力を発揮できるのは大体3年ぐらいを中心とした前後1,2年の期間です。

 トップの主勢力は中期計画の立案と遂行に向けられるべし、という暗黙の了解があります。そして、日常業務のことはラインマネジャーにできるだけ権限を委譲すれば良いとされています。

 

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 ステップ1は目標値を決めることです。これは社長の一言で「売上高を〇〇にしたい」「配当を〇〇%上げたい」等です。

 次にステップ2は現状のまま事業を進めた際に予測されるケースを想定します。このステップにおいてはシェアや売上高などの仮定を尤もらしい精度をもっておくことが重要となります。つまり、仮定を何事にもよらず明確にしておくことです。

 次のステップとして、業務改善による効果を見極めます。製造現場のおいては製造原価、営業側においては販売価格や販売量を見直すことです。

 そして、このステップ3を終えて目標値との差が埋まればOKです。しかし往々にして埋まらないケースがあります。これを解決する手法として戦略的な施策を考える必要があります。

 例として事業の新規参入、分離撤退、M&A(同業、上流、下流)などです。

 そして、最後のステップとしてこれら戦略的施策を組み合わせて目標に到達する組み合わせを考えます。リスクが許容できる範囲で、社是、社風に合った場合、これら戦略を全社的に実行するための詳細な計画書を立案することになります。

 私自身、製造業の製造現場で働いています。この経営計画の立て方においては製造原価を下げる手段について、多く手法を企画・実行してきました。  この企画においては、実行のスケジュールが非常に重要視されてきました。その理由は、着実に利益率を上げるためのマイルストーンとなっているからだとこの章を読んで実感しました。

終わりに

  イシューツリーについては、私自身が製造課題において原因・対策を考えるうえで活用しています。漏れなく、ダブりなく実行しているかという視点はマネジャー層からみたときに重要です。行き当たりばったりな行動になっていないか、振り返りながら業務を進めるうえでも活用できる手法です。

 中期経営計画の立て方については、業務改善と戦略的施策の切り分けが頭の中で整理できたため有用でした。また、私自身が企業価値向上、利益率向上に貢献できる領域を再認識することができました。

 経営層の視点を持つことは実業務を行う人間にとってなぜこの業務を行っているか認識する上で大事だと思いました。この認識を行っているか否かで業務への姿勢が変わるためです。引き続き学び、アウトプットしていきます。